自然を楽しむ家をご希望されました。糸紡ぎ、染め、織りを仕事にしている建主さんのナチュラルな暮らしに合わせて、木の風合いを大切にしながら、染織の作品と窓からの景色が映えるシンプルなつくりにしています。
この家の特徴
自然を楽しむ
林を望む窓は広く大きく、窓際のベンチで緑を満喫しています。海を望む窓はほどよい大きさで、丸い食卓を置いて仲良く眺めを楽しんでいます。窓と網戸と雨戸を全て壁の中に引き込めば、小鳥のさえずり、花の香、頬をなでる風、5感で自然を感じます。
緑に溶け込む外観
外壁は米杉の板をグレーに染色して周囲の緑に溶け込むようにしました。木の窓だけ木の色を残してアクセントにしています。樫の大樹を残すために、平屋部分を大樹の下にもぐりこませました。
大きなリビングと小さな畳の部屋
14畳のリビングは2.8mの高い天井、隣の4畳半の畳の部屋は2.2mの低い天井。広々とした解放感が好きなご主人と、こじんまりした落ち着きが好きな奥様と、それぞれのお気に入りの場所をつくりました。
染織作家さんのセンスでナチュラルに
白い壁と木の窓のシンプルな内装に、窓からの景色と、建主さんがお持ちのラグやカーテン、家具や小物が馴染んで、ナチュラルで居心地のよいインテリアになっています。
玄関でほっと一息
コンパクトな玄関の脇を畳の部屋にしています。土間の床よりも45cm高いので、来客とちょっと腰かけて話をしたり、帰宅した際に荷物を置いたり、ほっと一息つける場所になっています。玄関の扉の上の明かり窓は、ガラス作家の竹本亜紀さんの作品です。
個室で色を楽しむ
個室は色使いで楽しみました。植物が好きなご夫妻が色を選び、サンプル塗りで確認しながら決めました。寝室は若草色、アトリエとキッチン家具は空色、1階トイレはすみれ色、2階トイレはたんぽぽ色です。
アトリエは、空色が天井に広がります。
天気が悪くてもここはお天気のよう。
斜面地のわずかな平地に建てました
崖地なため家を建てられる場所は道路から奥まった斜面の上だけ。工事は軽トラックが通れる道を作るところから始まりました。コストのかかる長いアプローチや階段は、建主さんが枕木で手作りしました。
DATA
所在地 | 神奈川県中郡二宮町 |
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用途 | 専用住宅(家族構成 夫婦+うさぎ+犬+小鳥) |
構造・規模 | 軸組み木造2階建て |
敷地面積 | 1557.17㎡(470.10坪) |
延床面積 | 101.03㎡(30.50坪) |
完成 | 2009年04月 |
設計・監理 | 平真知子一級建築士事務所 |
施工 | 有限会社エスエス 担当:大内 望 |
その他 |